2011.3.11がきっかけとなって始めたカラフルなオリジナルマスコット制作を皮切りに、独特な世界観を展開してきた野口剣太郎の新たなプロジェクト「立体シリーズ（2019〜）」は、厚さ1mmのボール紙で様々な形の家などを制作する造形作品。今回のテーマとなっている「Subject and Object（主体と客体）」は昨年行われた個展「白い街」から発展させたもので、野口自身の意識に基づいて制作される「物体（主体）」と、その「物体」に光をあてることで現れる、いわば彼の意識から独立した光の産物である「影（客体）」が対となったミニマルな風景。影の長さや濃淡の違いは、季節やその日の天候、時間を示唆しています。それは、歴史的な出来事が起こった瞬間かもしれないし、個人的な過去の記憶に基づいたものかもしれません。様々な形と影が織りなすモノクロームの風景を、どうぞゆっくり眺めにいらしてください。

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