4年ぶりとなる鬼才 中村健太の写真展「遺影、飾ってイイですか!?」を開催いたします。この展示会は昨年出版した私家版写真集「銀河に埋める」の出版を記念して企画したものですが、写真集に掲載している作品を展示するのではなく、中村氏の強っての希望により「ファウンド・フォト」の流れを汲む「ベリード・フォト（埋められた写真）」と中村氏自身が勝手に呼ぶ写真の概念に基づいた新作展示会となっております。

そもそも「ファウンド・フォト（Found Photo）」とは、自分で撮ったわけではない写真に新たな意味を発見したり、手を加えることで、自分の作品として発表する表現技法です。どこからか拾ってきた写真を集めたり、写真アーカイブスの写真を利用したり、ネット上の写真を利用したり、大衆的な有名な写真を利用したりと、方法は様々です。

中村は自身の写真について「写真を100年、200年後に見てくれた人が（こんなことがあったのか、と）見て信じるか、あるいは、深く調べていったら「やっぱり嘘じゃん」って分かったり、そういうことが起こったら面白いだろうなと思って、写真を発表しています」と語っています。そして「将来、掘り起こしてもらうのを待つような」写真と位置付けています。

今回、中村は友人の家の座敷に飾られていた遺影に着目しました。彼は何に気づき、観る人にどういう感覚を呼び覚まして欲しいと考えているのでしょう。写真は、思考を自由にドライブさせるメディアです。どうぞ遊びに来てください。